紫外線硬化型FRPシートとは? 補修方法と使い方6ステップ

 

 

紫外線硬化FRPシートとは? 補修方法と使い方6ステップ

 

国が取り組む総合政策「インフラ長寿命化基本計画」が粛々と進められ、「新しく造る」のではなく、いかに「賢く使う」かが焦点となっています。

また、環境面からもインフラなどの長寿命化が課題とされ、メンテナンスの重要性が見直されています。そのまま放置すればあと数年で寿命を迎えるケースでも、適切に損傷箇所の補修を行うことで、さらに何十年も延命することができます。今後も補修・補強工事の需要は大きくなると考えられています。

現在、補修事業に求められているのは、より短い工期、質の向上、安全性、そしてコストの削減です。

 

紫外線硬化型FRPシートは、国土交通省のNETIS(新技術情報提供システム)などの公的機関に認定された製品もあり、これまでさまざまな分野に採用されてきました。

施工の容易さ、丈夫で長持ちする優れた補修材であり、腐食による劣化からさまざまなインフラ設備や製品を守り、長寿命化に貢献しています。

使用範囲が年々拡大している紫外線硬化型FRPシートについてご紹介します。

 

 

【紫外線硬化FRPシートとは?】

FRP(Fiber Reinforced Plastic)は、繊維強化プラスチックとも、単に強化プラスチックとも呼ばれ、合成樹脂にガラス繊維などを補強材として加えた複合材料です。

軽量、耐熱性、断熱性、耐薬品性、耐候性に優れ、さらに成形性にも優れているため、さまざまな形に成型できます。浴槽や浄化槽、貯蔵タンク、船体、自動車の車体、建築材料などに広く用いられています。

紫外線硬化型FRPシートは、FRPを柔らかいシート状にしたもので、太陽光または紫外線(UV)を照射することによって短時間で硬化し、鉄、コンクリート、FRP、木材などさまざまな素材を補修する画期的な補修材です。

施工が簡単で、住宅、工場、発電所、橋梁などのインフラのライフサイクルコスト(Life Cycle Cost:調達・製造~廃棄に至るトータルコスト)低減の一翼を担っています。

 

 

【紫外線硬化型FRPシートの特長】

・切って貼り、紫外線に当てるだけなので、工期の短縮が見込めます。

・材料調合がないため、正しい手順を踏めば、初心者でも施工可能です。

・耐薬品性・耐熱性・耐衝撃性・耐食性に優れています。

 

 

【紫外線硬化型FRPシートの補修方法】

FRPを保護コーティング材として使用する従来工法の1つに、ハンドレイアップ工法があります。ハンドレイアップ工法は、作業現場で人手によって、ローラーや刷毛などで樹脂とガラス繊維を含浸、脱泡しながら積層させていく方法です。

一方、紫外線硬化型FRPシートは、現場での含浸作業を必要としません。シートを必要な大きさに切って保護フィルムを剥がし、ケレンした鉄やコンクリートなどに貼り付け、太陽光やUVランプで硬化させれば補修は完了します。

材料調合に精通していなくても施工でき、時間も短縮できます。また施工後の収縮もほとんどなく、安定した仕上がりが保持できます。また施工後の穴あけやサンドがけ、塗装なども可能です。

 

次の項目では、ステップごとに使い方をわかりやすく説明していきます。

 

 

紫外線硬化型FRPシートの使い方 6ステップ】

(注意)雨天時や補修面が湿っているときの施工は避けてください。

 

補修ステップ(紫外線硬化後に塗装する場合)

 

ステップ1. ケレン作業

  • 剥がれかかった古い塗膜を取り除いたり、錆を落としたりなど下地を調整するケレン作業を行います。
  • アセトン等でケレンかす、水分や油分を除去し、表面を清掃します。

 

ステップ2. プライマー塗布

(1)プライマーを塗布します。

(2)必要に応じてパテで不陸(表面が平らでなく凹凸がある)調整します。

(3)FRPシートを補修部の大きさに合わせて、ハサミやカッターで切ります。

 

ステップ3. 紫外線硬化型FRPシートの貼り付け

(1)FRPシート接着面のフィルムを少しずつ剥がしながら補修面に貼り付けます。

※(空気が残らないように)ローラーなどで貼り合わせ部分の空気を押し出すように貼り進めてください。

※紫外線が強い季節(4月~9月)や時間帯に大きなシートを貼る場合は、貼り付け作業中の硬化を避けるために日よけを推奨します。

(2)FRPシートの縁部をローラーや指で押して段差を滑らかにします。

 

ステップ4. 紫外線ライトの照射

FRPシートのフィルムを剥がし、太陽光または紫外線照射装置を使用し、硬化させます。

※硬化時間は紫外線の光源(太陽光や紫外線蛍光灯など)やその強さによっても変わります。季節や時間帯も晴天・曇天などでも変動します。

 

ステップ5. 硬化確認

硬化していることを確認し、FRPシートのフィルムを剥がします。

 

ステップ6. 塗装・補修完了

塗装を行い、補修が完了します。

 

 

【紫外線硬化型FRPシートが補修に使えるケース】

紫外線硬化型FRPシートは、パイプラインなどの外面腐食部の補修・防錆・防食から、歩道橋の補修工事などの公共工事、工場や発電所の補修、マンションや住宅の補修などに使われています。

 

FRPシートの用途は多様ですが、意外なところでは、バイクや車の修理・補修材としての使用例があります。車のFRPバンパーをぶつけて割ってしまった場合でも、補修箇所の表面の汚れや錆を落とし、サイズに合わせてFRPシートを切って貼り、紫外線や太陽光で硬化させるだけで修理ができてしまうため、DIY感覚でチャレンジする人も増えています。また、補修だけではなく、思いのままのFRPパーツを作ることもできます。

身近なところでは、プラスチック材の中でも成形性や耐水性がよいことから、耐衝撃性に強く防水材として、浴室などの水廻りや、手すり、雨樋、フェンスやベランダ、バルコニーや駐車場など、広く利用されています。

※ご使用の際には、必ず製品の注意事項をお読みください。

 

 

【紫外線硬化FRPの当社(使用)事例】

紫外線硬化型FRPシート ソーラーパッチは、日本国内では18年にわたる数多くの採用実績があります。

国内での代表的な施工・補修箇所は、橋梁、歩道橋、スノーシェッド・スノーシェルダー、配管(水漏れ)、照明柱、タンク、漏油漏れ、コンクリートなど、多岐にわたっています。

 

海外での使用実績も多く、主にプラントの腐食対策、長寿命化に採用されています。

ロイヤル・ダッチ・シェル(Royal Dutch Shell)社のLNG(Liquefied Natural Gas:液化天然ガス)プラントなどへの採用実績も多数あります。

 

紫外線硬化FRPシート ソーラーパッチの使用事例をご紹介します。

 

<ロイヤル・ダッチ・シェル社 パールGTLプラント>

ロイヤル・ダッチ・シェル社のパーGTLプラント(カタール、ラスフラファン地区)は、世界最大のガス液化プラントで2012年に完成し、稼働を開始しました。当ガス液化プラントに使用された配管等の腐食対策・長寿命化のための補修材として、全体で70,000㎡以上の紫外線硬化型FRPシート ソーラーパッチが使用されました。

※GTL(Gas To Liquids)とは天然ガスを原料とする液体燃料であり、石油代替燃料として環境に優しい次世代エネルギーとして注目されています。

 

 

 

<エクイノール社 Johan Sverdrup石油プラットフォーム>

エクイノール社(ノルウェーのエネルギー企業、世界最大級の石油・ガス企業)所有のJohan Sverdrup石油プラットフォーム(北海)の配管等の腐食対策・長寿命化のために、紫外線硬化型FRPシート ソーラーパッチが採用されました。また、同石油プラットフォームに関連した橋梁工事のために、Kaefer Energy Norway(ノルウェー)とBeerenberg Norway(ノルウェー)にも紫外線硬化型FRPシート ソーラーパッチが採用されました。

※スタトイル社は2018年3月15日にエクイノールに社名変更しました。

 

 

 

 

<パイプラインの引き込み>

今回のパイプラインはオランダに敷設されており、工場内で腐食保護塗装を行い、高速道路と運河の下、合計1kmの距離を引き込む予定となっていました。しかし、引き込みが開始された直後、工場で塗布された塗装が損傷する危険性をプロジェクトチームがキャッチしました。塗膜の保護と現場で塗膜の上から施工できるという点で、ソーラーパッチが採用されました。

この事例のように、もっとも厳しい摩耗環境においても、配管やパイプラインの保護にソーラーパッチが大変効果的なことが実証されました。

ソーラーパッチは、優れた耐衝撃性と耐摩耗性を有するため、このような用途にも使用されています。

 

 

<トタル社 浮体式生産貯蔵積出設備>

トタル社(フランスに本部を置く多国籍企業、スーパーメジャーの1社)のプロジェクトである、アンゴラ沖のKaombo FPSO(浮体式生産貯蔵積出設備)において、配管等の腐食対策・長寿命化のために、30,000㎡以上の紫外線硬化型FRPシート ソーラーパッチが使用されました。

 

※FPSO(Floating Production, Storage and Offloading)は、石油プラットフォームの一種。船舶状の形状をしている。

 

 

トタル社のプロジェクト、ナイジェリア沖のEGINA FPSO(浮体式生産貯蔵積出設備)において、配管等の腐食対策・長寿命化のために、約45,000㎡の紫外線硬化FRPシート ソーラーパッチが使用されました。

 

 

 

【紫外線硬化型FRPシートの当社商品の特徴】

紫外線硬化FRPシート ソーラーパッチは、国内では1999年にFibertechとして初めて紹介され、2000年代はじめにはNETISに「防食部補修及び防食処理」の新技術として登録されました。

以来18年にわたり、施工の容易さ、丈夫で長持ちする優れた保護コーティング材としての特性、FRPライニングの現場作業の大幅な簡素化などから、多くの分野に採用され、さまざまなインフラ設備や製品の長寿命化に貢献してまいりました。

このような紫外線硬化型FRPシート ソーラーパッチをリーズナブルな価格でお届けできるのは、国内で初めて輸入・販売した当社の強みでもあります。

設備や施設、インフラの長寿命化に貢献する紫外線硬化FRPシートの使用範囲は今後ますます広がっていきます。

 

 

【まとめ】

国内では高度経済成長期に造られた道路や橋梁など社会インフラが老朽化し、大規模な点検・修繕や更新などの補修・保全・長寿命化の必要性が高まっています。また、海外でも同様に、保守・保全事業の需要が予想され、市場の拡大が期待されています。

2018年4月に国がまとめた「社会資本整備」資料によれば、インフラ長寿命化には、重点項目として「質の向上」もあげられています。新しい技術を積極的に導入し、より短い工期で、安全・安心、コスト削減、そして質の向上が求められているのです。

紫外線硬化型FRPシートは、これらに応えられる優れた補修・補強材です。従来工法と比べて、人にも環境にもやさしい保護コーティング材である紫外線硬化型FRPシート ソーラーパッチを構造物や製品の補修・保全・長寿命化の柱として展開してまいります。

 

 

 

Posted in 紫外線硬化型FRPシート ソーラーパッチ.