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火災前兆早期検出装置

重要な電気設備の火災前兆早期検出装置「Cirrus Hybrid」は、インフラを支える電気設備の火災の前兆となる異常過熱状態を煙が発生す る前の段階でいち早く検出し、システムの予期せぬシャットダウンによる甚大な影響 を未然に防ぎます。
世界では過去20年間で火災の早期検知を目的として空気強制吸引方式の煙検知 装置 (Aspirating Smoke Detection … ASD) の採用が進んでいます。規格とし ては米国 NFPA、欧州 EN、中国 CCC、オーストラリア AS などが制定されています。
火災はいかに火を消すかよりも、いかに早くその異常過熱状態を検知し、消火設備を作動させる必要のない段階で対処するのが実効的ではないでしょうか?
おもな特長
1.最新の技術を統合した2センサー統合ハイブリッドシステム
【プライマリーセンサー】
熱分解微粒子検出用クラウドチャンバー:ウィルソンの霧箱の原理
- 検出微粒子サイズ:0.0024~
- 検出濃度範囲:1万~1,000万個/CC
【セカンダリーセンサー】
煙検出用高感度煙検知器:散乱光式
煙検出濃度:0.01~20%/m(通常の第2種煙感知器10%/mの千倍の感度)
2.火災の前兆となる異常過熱段階で発生する熱分解微粒子をいち早く検出し、異常事態の早期検出、早期対応が可能
3.煙検出の永遠の課題であるダストや水蒸気などの外乱の影響を受けず、誤警報のない安定したシステム(プライマリーセンサーからの情報で識別)
4.空気強制吸引方式による能動的センシング機能で安定な早期検知
5.センサーと監視盤機能が一体となったコンパクトなシステム
6.センサー/監視盤の一つの筐体に1~4本(モデルによる)の配管系統を接続でき、現場での省スペース化を実現
7.4段階の設定可能アラーム機能 Pre-Alarm/Fire1/Fire 2/Fire 3
8.煙検知方式では誤響報が出る冷凍倉庫や食品加工工場、紙の裁断をする現場などへの導入実績
9.初期モデルCirrusから現在のCirrus Hybridまで世界で10,000台を越える納入実績
火災マネジメントでこんな悩みはないですか?
- 煙感知器で人命は守れるかもしれないが重要な設備の稼働維持・焼損回避は大丈夫かな?
- クリーンルームでは消火設備を作動させてしまうとラインが稼働停止してしまう
- 煙感知器で消火設備が作動してしまったら重要な設備やデーターなどの資産はダメージを受けてしまう
- コンピューターなどの設備にスプリンクラーで水をかけるわけには行かない
- 代替ハロンやハロンは一度放出すると高くつくし、地球温暖化やオゾン層破壊の心配からもできれば放出は 避けたい
- CO2の放出はそこに人がいると窒息事故が起きないか心配
- お客様のデーターの保管や重要なシステム運営を委託されているので火災や焼損事故が発生すると取り 返しのつかない資産損失、信用失墜になる
- 煙を早く検出しようと高感度にするとホコリや湿気での誤動作が心配
Cirrus Hybridなら、過去にない高感度センサーによって、煙が発生する前の段階のオーバーヒート状態を検出。
原理的に誤動作の心配がありません。
導入事例
- London Olympic Stadium
- Dublin Airport T2
- Manchester Airport
- Media City UK
- Manchester United FC Old Trafford
- Edinburgh Royal Hospital
- Warburtons Bakery
- その他多数
火災のプロセス
火災のプロセスでは煙が発生する前の段階で物質がオーバーヒート状態に達して熱劣化を起こし熱分解微粒子(0.002μ~)が空気中に大量に放出されます。この熱劣化が始まる温度は材料毎に異なり各材料の発火点の約半分以下の温度になります(下表参照)。ウィルソンの霧箱の原理を応用したCirrus Hybridはこの段階でそのオーバーヒート状態をいち早く検知することができます。更にオーバーヒート状態が進行すると数ミクロンのサイズ(例:3μ) の煙が発生してきます。この段階になると煙検出方式で検知することができるようになります。更に状況が進行すると炎が発生し、炎感知器が作動する段階になります。最終段階として本格的な火災に到達すると大量の熱を発生し熱感知器が作動する状況になります。
Cirrus Hybridは火災のプロセスの最も早い段階から発生 する熱分解微粒子(0.002μ~)を検知できるために火災の前兆をいち早く検知・通報することができます。
材料別 熱劣化開始温度
材料名 | 熱劣化開始温度(℃) | 発火点(℃) |
---|---|---|
PVC(塩ビ) | 143 | 507 |
ポリエチレン | 210 | 488 |
テフロン | 321 | 660 |
ポリスチレン | 377 | 573 |
上質紙 | 260 | 399 |
エポキシ樹脂 | 205 | 540 |
システムの概要
Cirrus Hybridは火災検出対象区域に配置したサンプリング空気配管から強制的にサンプル空気を連続吸引します。そのサンプル空気の一部をウィルソンの霧箱の原理を 利用したプライマリーセンサーに引き込みます。
引き込まれ た空気は加湿・断熱膨張されることにより空気中のサブミクロン微粒子一個一個が凝縮核としてその周囲に水滴を成長させます。その水滴により0.002ミクロン~の熱分解微粒子は約5千倍の10ミクロンの大きさに成長し目に見え る霧が生成されます。
この霧の濃度をLEDとフォトセルで光電的に測定することにより空気中の熱分解微粒子の濃度を把握することができ ます。火災の前兆ではその進行に応じて煙も発生します。その煙濃度をセカンダリーセンサーの高感度煙検知器で検出し、プライマリーセンサと組合わせた独自のアルゴリズム により合成信号として表示しアラームを発報します。
空気中のホコリは粒子径が大きくてもその個数は熱分解微粒子に比べるとはるかに少ないためにCirrus Hybridがホコリにより誤警報を発することはありません。
このような大量のサブミクロン微粒子は“オーバーヒー ト”、“燃焼”、“アーク”のみにより発生するためにCirrusHybridはホコリや湿気などの火災以外の外乱の影響を 受けない非常に安定な優れた火災の前兆を早期検出することができます。
用途例
- リチウムイオン蓄電設備…再生エネルギー設備用ESS
- リチウムイオン電池充電ステーション…自動倉庫の搬送ロボット充電
- コンピューター・サーバールーム
- データセンター、サーバー室、通設備、受変電室
- 電力設備…メタクラ盤、通信設備、ケーブル処理室
仕様
型式 | Cirrus Hybrid |
---|---|
電源電圧 | DC20~29V |
電力消費 | 16.8 W(at DC24V) |
周囲温度 | 0~38°C |
試験済温度範囲 | 0~55°C |
サンプル空気温度 | -20~60°C |
湿度 | 0~90% 結露無き事 |
サンプリングパイプ | 1~4本(モデルによる) |
空気到達時間 | 60~120秒(設計による) |
アラーム | Pre-alarm, Fire1, 2及び3 |
パイプ内径 | 19~25mm |
最大配管長 | 40m |
最大監視面積 | 200㎡ |
その他表示 | Supply Healthy, Fault |
感度範囲 | 1万~1,000万粒子/cc 0~1,000 CFS |
プログラマブル入力 | 3点(アラームリセット、 バッテリー不具合等7条件) DC30V Active low |
出力リレー | 5x1A DC30V 無電圧A接点 |
寸法、重量 | 幅:250mm 高さ:380mm 奥行:137mm 重量:3.5Kg |
吸引空気流量監視 | Airflow Hi, Lo |
イベントログ | 24,000件 |
データ保持期間 | 約30日(微粒子レベル) |
適合規格 | EN54 Part17、20 AS7240 Part20 |
防滴規格 | IP30 |
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