CCTVカメラとは?仕組み・用途・ネットワークカメラとの違いを徹底解説
2025/5/31更新
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CCTVカメラとは?仕組み・用途・ネットワークカメラとの違いを徹底解説
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防犯や監視の現場で利用されるカメラには、アナログからネットワークまでさまざまな種類がありますが、中でも「CCTVカメラ」という言葉を耳にする機会が多いでしょう。CCTVは「Closed Circuit Television」の略称であり、映像をクローズドな環境でモニタリングする方式を指します。
日本では一般的に防犯カメラや監視カメラと呼ばれることが多いため、CCTVという言葉に馴染みがない方もいるかもしれません。本記事では、CCTVカメラの定義や仕組み、さらにネットワークカメラとの違いを含め、導入の際に押さえておきたいポイントを詳しく解説します。
CCTVカメラとは?
CCTVカメラは映像を特定の範囲や回路の中だけで伝送する仕組みで、日本では監視カメラや防犯カメラと呼ばれています。
公共施設や工場、店舗などで防犯や監視を目的に使われる例が多く、アナログ方式でモニターやレコーダーと直結する仕組みが従来主流でした。しかし、近年はネットワーク技術が普及し、IPカメラ(ネットワークカメラ)が台頭してきました。
CCTVという言葉自体はアナログ方式・デジタル方式を問わず、広い意味で監視用途のカメラを表す概念として使われています。
定義と語源(Closed Circuit Television)
「Closed Circuit Television」の”Closed”は、映像が特定の範囲や回線で閉じた状態で流れることを意味します。オープンなテレビ放送のように不特定多数へ電波を飛ばすわけではなく、ケーブルや無線でも限られた環境でのみ映像を伝送する点が特徴です。
初期のCCTVは企業や公共機関がモニターや録画装置を設置し、アナログ信号を同軸ケーブルなどで送信して監視していました。ネットワーク化やデジタル化が進む昨今でも、CCTVの概念は「閉じた回路で映像を見られるシステム」として維持されており、防犯・監視カメラの代名詞的な存在として定着しています。
防犯カメラ・監視カメラとの違い
日本語で「防犯カメラ」や「監視カメラ」と言う場合、CCTVとの違いはほとんどありません。CCTVが英語の専門用語として定着しているのに対し、日本では防犯目的や監視目的のカメラを総称して使われることが多いです。
防犯カメラは、厳密には「防犯」という言葉から、犯罪抑止や証拠映像の取得が主眼に置かれることが多いと考えられます。一方、CCTVは防犯に限らず、工場の稼働状況をチェックしたり、商業施設での安全管理に利用したりと用途が広範囲です。
つまり、防犯カメラがCCTVの主要な用途のひとつであるのに対し、CCTVはより包括的な意味で使われることがあると考えると良いでしょう。
CCTVカメラの仕組み
従来のCCTVカメラは、映像を撮影してアナログ信号のままモニターやレコーダーに送る仕組みです。ネットワーク経由のデジタル伝送と異なり、専用ケーブルで映像を配線する方法が主流でした。
ここではアナログ方式の特徴や配線構成、モニター・レコーダーとの接続例を取り上げ、CCTVの基本的な仕組みを解説します。
アナログ方式の特徴と配線構成
従来のCCTVシステムは、映像信号をアナログ伝送する仕組みを採用しています。カメラから同軸ケーブル(RG59など)が伸びており、監視用モニターやDVR(Digital Video Recorder)に直接接続される構造です。配線はシンプルですが、ケーブル長や画質に制約がある点に注意が必要です。
アナログ方式の場合、解像度は一般的にNTSC(標準テレビ)程度で、ネットワークカメラに比べると画質が劣ることが多いです。しかし、設置や保守が容易なメリットや、機器のコストが比較的安価である点が評価され、防犯用途で長く使われています。一部ではAHDやHD-TVIといった高解像度アナログ規格も登場し、従来の配線を活かしながら画質を向上する例も増えています。
モニター・レコーダーとの接続例
CCTVカメラを設置するときは、映像を映し出すモニターと録画用のレコーダーを用意します。アナログカメラから出た映像信号をDVR(Digital Video Recorder)に入力し、そこからモニターへ出力する構成が基本です。DVRを使えば、複数カメラの映像を同時録画・再生できる一方、ネットワーク経由で遠隔監視を行う機能を備えた製品もあります。
たとえば、4台のカメラを設置しておけばDVRの画面を4分割表示にし、別々の場所の様子をまとめて確認できるようになります。また、録画データを定期的にバックアップする仕組みを用意することで、万が一の事故やトラブル発生時に役立ちます。
ネットワークカメラとの比較
CCTVカメラは、アナログ方式だけでなく、ネットワークカメラ(IPカメラ)も含まれます。ここでは、アナログ方式のCTVカメラとネットワークカメラの両者を画質や拡張性、費用面などの観点から比較し、どちらを選ぶべきか判断する際のポイントを解説します。
IPカメラとの違い(画質・拡張性・費用)
IPカメラ(ネットワークカメラ)は映像をデジタルデータとして扱うため、高画質(フルHDや4K)での記録やネットワーク経由での遠隔監視が容易です。一方、アナログCCTVは伝統的に解像度が低い傾向があり、長距離配線や録画容量に制約が生じやすいです。
拡張性の面では、IPカメラの方が後から台数を追加しやすく、AIやクラウドとの連携もスムーズです。ただし、初期コストはIPカメラの方が高くなる場合が多く、小規模導入や簡易防犯用途ではアナログCCTVがまだ選ばれる場合があります。現場の要求解像度や予算に合わせて選定すると良いでしょう。
どちらを選ぶべきか?
ネットワークカメラとアナログCCTVのどちらを導入するかは、求める機能や規模によって異なります。たとえば、高解像度の映像を遠隔地からリアルタイム監視したい、録画データをクラウドに保管したいなどの要望がある場合はネットワークカメラがおすすめです。AI解析を駆使して人物や物体を自動認識する場面でもネットワークカメラが有利です。
一方、既存の同軸ケーブルを流用して素早く導入したいというケースではアナログCCTVが適している場合があります。導入やメンテナンスコストを比較しながら、自社や現場のニーズに合致した方式を検討すると失敗を避けられます。
導入事例と活用シーン
CCTVカメラは、防犯以外にも工場の稼働監視やオフィスでの出入り管理など多彩な活用シーンがあります。ここでは工場や店舗、オフィスにおける具体的な事例を紹介し、それぞれの運用メリットを解説します。
工場/オフィス/店舗での活用例
工場では生産ラインをCCTVカメラで常時監視し、機器トラブルや安全違反をいち早く検知できるようにする例が多いです。遠隔で稼働状況を把握することで、管理者が即座に対策を講じられるメリットがあります。また、作業手順の改善や品質向上にもフィードバックを活かしやすいです。
オフィスでは、エントランスや共用部にCCTVを設置してセキュリティレベルを上げたり、社員の出入りを記録する活用方法があります。
店舗においてはレジ周りや商品棚の監視が中心で、万引きなどの不正行為対策だけでなく、店内の混雑状況を把握してスタッフ配置を最適化するといった活用も進んでいます。
CCTV導入時のチェックポイント
CCTVカメラを導入する際には、目的や設置場所、録画容量、通信環境など複数の点を確認し、比較検討することが大切です。
録画日数・耐久性・遠隔管理の可否など
CCTVカメラを導入する際は、録画日数や画質、セキュリティ対策などを事前に確認し、将来的な拡張性まで視野に入れると、失敗しにくいです。
録画日数はどれだけ必要か、屋外なら耐久性をどう確保するか、遠隔操作やスマホ連携を行うかなどの要素を洗い出し、機器選定や配線設計に反映しましょう。
映像が外部に漏れるリスクを防ぐためにパスワード設定や暗号化通信を導入することが大切です。さらに、運用コストも長期的な視点で計算し、メンテナンス費や電気代を含むトータルコストを把握してから導入を進めましょう。
CCTVカメラを上手に活用して、施設やオフィス、店舗の安心・安全を高めてください。