防犯カメラのレンタルとリースの違いは?費用やメリットを詳しく解説
2025/6/30更新
監視カメラ製品・技術情報

企業や自治体では侵入盗難や情報漏洩のリスクに対し、映像監視が欠かせない設備となっています。ただし、高性能なカメラと録画装置を一括購入すると初期費用が数十万円規模になる場合があることから、初期費用の負担を抑えるためにレンタルでの防犯カメラ導入を検討している方も多いでしょう。
本記事ではレンタルとリースの違いを軸に、費用相場、メリットとデメリット、機種選定のポイントを網羅的に解説します。運用コストや保守体制の差異を把握し、導入計画を最適化する際の参考にしてください。
防犯カメラのレンタルとリース、購入の違い
防犯カメラ導入時にはレンタル、リース、購入といった3種類の導入方法があります。初期費用の有無、契約期間の長さなどが異なるため、表面上の月額や一括費用だけでは判断できません。ここでは、レンタルとリース、購入の違いを説明します。
防犯カメラをレンタルする場合
レンタル契約は最短1ヶ月程度から利用できる短期型の導入方法です。契約期間中は機器の所有権が提供会社に留まり、故障時の交換や最新機種への入替えを行いやすいです。そのためイベント会場や建設現場など、設置期間が限定される現場で多く採用されています。
また、レンタルの場合はメンテナンス費用を防犯カメラを提供している会社が行う場合が多く、無償でメンテナンスを行える点もメリットです。
リース契約との違い
リース契約は購入者と販売者の間にリース会社が入る仕組みです。
リースの場合、月額料金はレンタルよりも安く設定されることが多く、長期的な防犯カメラの導入の場合はリースのほうがコスト節約できます。しかし、リースはレンタルのように契約の途中解約ができないため、数ヶ月程度の短期利用の場合はレンタルのほうがトータルコストを抑えられるためおすすめです。
契約満了時には再リース料を支払うことで継続して防犯カメラを使用可能です。長期にわたり同一機種を使い続ける場合や会計上の分割計上が望ましい場合に適した方式です。
防犯カメラを購入する場合
購入は機器と録画装置を一括で取得し、所有権を保持する最もシンプルな導入方法です。初期費用が高額になる反面、長期間利用するほど月額換算のコストは低減します。
設備資産として計上し減価償却を行うため、会計処理に手間が伴います。保守契約は別途結ぶ必要がある場合が多く、故障時の修理費用を自己負担するリスクも踏まえた予算確保が欠かせません。機能追加や録画方式の仕様変更が難しい点に注意が必要です。
防犯カメラのレンタル・リース・購入の費用相場
レンタル、リース、購入のいずれを選ぶかは費用構造の把握が欠かせません。月額料金、一括購入代金、設置工事費、保証延長費、クラウド録画料金などの名目が方式ごとに異なり、当初の支出と累計コスト、さらに会計処理での損金算入時期まで変わるためです。ここでは、レンタル、リース、一括購入の費用相場をまとめました。
レンタルの費用相場
レンタル料金はカメラ1台あたり月額3,000円から1万円程度が相場です。価格差は解像度、暗所撮影性能、ネットワーク機能の有無などで決まります。設置工事費はプランに含まれる場合が多く、工事不要の無線式モデルなら追加費用ゼロで導入できます。
クラウド録画を選択すると別途1,000円前後が加算されることが一般的です。レンタル専用プランでは故障交換や消耗品交換も月額に含まれるため、予期せぬ出費を抑えられます。
リースの費用相場
リース料金は初期取得価格に応じて算定されます。防犯カメラ4台と録画装置のセットでおおよそ月額5,000円から12,000円が目安です。
契約期間が長くなるほど月額は下がりますが、途中解約時には残リース料の一括支払いが求められます。設置工事費は初回請求に合算されることが多く、10万円規模になる例もあります。
修理費用は保守契約に含まれるか追加オプションとなるかで差が生じるため、長期利用前提の企業は保守込みプランを選ぶと総コストを抑えられます。
購入の費用相場
購入費用は機器の性能と台数で大きく変わります。フルハイビジョン対応カメラ一台と録画装置のセット価格は10万円から25万円程度が相場です。
設置工事費は配線距離に応じて5万円から15万円程度の幅があり、天井裏や外壁への穴あけが必要な場合は追加料金が発生します。また、保守契約を締結しない場合、故障時には機器代全額を再度支払う可能性があり、長期運用の総額はレンタルやリース以上になる場合もあるため、注意してください。
防犯カメラレンタルのメリット
レンタル型の最大の利点は初期費用の軽減です。工事費と機器費用を月額に含めるプランが主流で、貴重な運転資金を温存したまま短期間で導入できます。
短期契約が可能な点も魅力です。建設現場やイベントホールのように利用期間が決まっている場所では、使用日数分だけ支払えば済むためコスト効率が高くなります。
機器入替えの柔軟性もメリットです。解像度向上や広角レンズが必要になった場合、契約更新時に最新モデルへ無償交換できるプランを選べば、技術進歩の恩恵を受け続けられます。
故障交換や保守対応が提供会社の責任となるため、自社の情報システム部門が空いた時間を別業務に振り向けられます。さらに資産計上が不要になるので、固定資産税や減価償却の手間を削減できる点もレンタルのメリットです。
防犯カメラレンタルのデメリット
月額料金に保守や工事費が含まれる関係で、3年以上の長期利用では購入より支払総額が高額になる場合があります。長期固定で使い続ける施設では費用対効果を検証する必要があります。
所有権が提供会社に残るため、機器の改造や設定の深い変更が制限されるケースがあります。カスタマイズ性を重視する監視システムでは制約が業務効率に影響する恐れがあります。
途中解約時の違約金も留意点です。短期契約対応プランでも最短期間を過ぎる前に撤去すると違約金が発生することがあります。契約条項を細部まで確認し、変更予定のあるプロジェクトでは期間設定を慎重に行う必要があります。
目的や設置場所に合ったレンタル防犯カメラの4つの選び方
防犯カメラのレンタル契約では、機種交換依頼が追加費用に直結するため、初期段階で要件定義を徹底することが大切です。ここでは、機能、設置環境、工事要否、記録方式の4つの観点から選定手順を整理し、失敗を避ける具体的なチェックポイントを解説します。
1.必要な機能が搭載されているか
撮影目的に応じて必要な機能は大きく異なります。店舗レジ前なら人物の顔を鮮明に記録できる四メガピクセル以上の解像度が求められます。夜間警戒が必要な倉庫では赤外線照明と低照度カラー監視機能が必須です。
アラート連動を行う場合は動体検知や侵入検知の分析機能が欠かせません。クラウド録画を活用する場合はカメラ内部にエッジ処理機能が備わっているとアップロード帯域を抑制できます。必要な機能を洗い出し、過不足なく搭載した機種を選ぶことで無駄な費用を避けられます。
2.設置場所に適したカメラか
屋内用カメラは防塵防水性能が限定的で、雨風にさらされる屋外では故障リスクが高まります。駐車場や出入口に設置する場合、防水保護等級でIP66以上を満たす製品を選ぶことでトラブルを防げます。
また狭い通路や広い工場では視野角が重要です。広角レンズを装着したドーム型モデルは死角を最小化できる一方、望遠が必要な長距離監視ではバレット型やPTZ型が適しています。設置環境の特性を把握し、形状と耐久性を兼ね備えたカメラを選定することが重要です。
3.工事が必要か周囲の環境に問題はないか
有線接続型は電源と映像伝送用の配線工事が必要です。壁や天井に穴を開ける施工が難しい歴史的建造物や賃貸オフィスでは無線接続型を選ぶと導入がスムーズになります。
配線工事を行う場合は周囲の照明や電磁ノイズの影響も考慮する必要があります。高圧機械が稼働する工場ではノイズ対策としてシールドケーブルを使用し、照度が低い場所では追加照明の設置計画を合わせて検討すると安定した映像品質を確保できます。
設置環境の制約を事前に洗い出し、必要に応じて工事内容を調整することで追加費用や工期の遅延を防げます。
4.映像の記録方式が自社に適しているか
録画方式はSDカード型、レコーダー型、クラウド型の3種類が主流です。SDカード型はカメラ単体で完結するため配線が最小限で済みますが、盗難時に証拠が失われるリスクがあります。
レコーダー型は社内サーバーに映像を集約できるため長時間保存に適しています。ただし設置場所のセキュリティと電源冗長化を用意しなければ障害時に映像が欠損する恐れがあります。
クラウド型はインターネット経由でデータセンターへ自動転送するため、災害時でも映像を保全できます。回線帯域や月額料金が増えるものの、複数拠点を一元管理できる利点が大きいです。必要な保存期間とアクセス頻度を基に方式を決定すると効率的です。
専門業者に任せるメリットと重要性
防犯カメラの運用を外部に委託すると、機器選定から設置、運用、保守、トラブル対応までをワンストップで任せられます。専門業者は最新機種の技術動向や法令改正に精通しており、現場調査を通じて最小コストで死角を無くす配置を提案します。
調達部門や情報システム部門の作業負荷を抑え、突発的な障害にも24時間体制で駆け付けるため、人的コストとダウンタイムを同時に削減できます。結果として拠点追加や機種更新にも柔軟に対応できる体制が整います。
防犯カメラをレンタルする際の注意点
レンタル契約は手軽さが魅力ですが、契約条項の読み込みを怠ると予期しない費用や運用制限が発生します。
運用開始後のトラブルを防ぐため、見積もり取得時に全項目を洗い出し、部門間で承認フローを共有しておくと意思決定を早められるでしょう。ここでは防犯カメラをレンタルする際の注意点を説明します。
補償の範囲を確認する
レンタル料金に機器破損や盗難時の補償が含まれているかを必ず確認します。自然災害や第三者の故意による損害が対象外の場合、別途動産総合保険に加入しなければ自己負担が発生します。
補償上限額と免責金額を比較し、想定されるリスクに見合ったプランを選定すると出費を抑えられます。
導入にかかる期間や工事について確認する
発注から設置完了までのリードタイムは在庫状況や工事許可の取得難易度で変動します。急ぎの現場では即納モデルか無線式モデルを選ぶと配線工事を省略でき、最短1日で運用を開始できます。
配線工事が必要な場合は夜間施工や休日施工の追加費用が発生するため、カレンダーとコストを照合しながら導入スケジュールを策定します。
レンタルの防犯カメラに関するよくある質問
ここでは、レンタル防犯カメラの代表的な5つの質問に回答します。防犯カメラ導入時の参考にしてください。
Q1:防犯カメラのレンタルの途中解約には費用がかかりますか?
短期プランは最短利用期間を過ぎれば違約金なしで返却できることが多いです。長期プランでは残期間分の月額料金または機器買取額を一括精算する条項が一般的です。契約前に残額計算方法を確認し、事業計画の変動に備えた期間設定を行うと安心です。
Q2:レンタルよりリースのほうが安くなるケースはありますか?
同一機種を5年以上継続使用する場合、リースの総支払額がレンタルより低くなることがあります。ただしリースは資産計上と減価償却が必要になるため、経理処理の手間と固定資産税を考慮します。短期利用や頻繁な機種更新を行う計画ではレンタルのほうがコスト効率と柔軟性に優れます。
Q3:補助金を利用して設置したカメラは移設できますか?
国や自治体の補助金で導入したカメラを移設する際は、補助事業の交付要綱に従い設置場所変更の承認を得る必要があります。レンタル機器の場合、所有権は事業者にあるため承認申請に業者の協力が不可欠です。事前に移設可否と手続きフローを確認するとスケジュール遅延を防げます。
Q4:マンションや集合住宅で防犯カメラをレンタルする際の注意点はありますか?
共用部分への設置は管理組合の総会決議が必要になる場合が多く、契約前に住民への通知と同意取得が求められます。配線ルートや配管貫通の工事では構造体への影響が懸念されるため、無線式モデルや粘着固定金具を選ぶと合意形成が容易になります。映像の閲覧権限を管理会社に限定し、個人情報保護規程を整備することも重要です。
Q5:インターネット環境がないと防犯カメラは設置できませんか?
ネットワーク接続が不要なレコーダー保存型やメモリー保存型を選べば設置は可能です。ただし遠隔監視やクラウド保存を行う場合は回線が必須となるため、モバイル回線ルーターをセットでレンタルするプランが推奨されます。
レンタルの防犯カメラは導入コスト削減や短期利用におすすめ
レンタル方式は初期投資を抑えつつ、短期プロジェクトや急な増設に即応できる柔軟性が特徴です。月額に工事費や保守費用が含まれるため、予算計画を立てやすく、資産計上を回避できる点も経理面で大きな利点になります。
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