防犯カメラの補助金は個人でも申請できる?条件や申請方法を解説
2025/6/30更新
監視カメラ費用

空き巣や侵入被害のリスクが高まる中、防犯カメラの設置は住まいの安全対策として欠かせません。しかし機器と工事費を合わせると数十万円になる場合があり、金額面の負担が導入のハードルになります。
国や自治体は治安向上を目的に個人宅への防犯設備導入を後押しする補助制度を展開しています。本記事では補助金と助成金の違い、対象となる費用、地域別の制度概要、利用時のメリットとデメリットを解説し、賢く制度を活用する方法を示します。
個人でも利用できる防犯カメラの補助金はある?
個人住宅を対象とした補助制度は地方自治体が中心となり実施しています。ほとんどの制度は防犯カメラ本体の購入費と設置工事費を合算した金額の一定割合を上限付きで補助します。
対象となる住宅要件や自治会との連携条件が定められている場合があり、申請には見積書や設置後の領収書が必須です。制度の有無や補助率は市区町村ごとに異なるため、自治体窓口や公式サイトで必ず最新情報を確認しましょう。
補助金と助成金の違い
補助金は事前に公募期間が設けられ、審査を経て採択された後に交付される仕組みです。予算額に達すると募集が終了するため、希望者が多いと採択率が下がる傾向があります。
助成金は要件を満たしていれば原則先着順で支給され、採択審査は簡易なケースが一般的です。ただし助成金も年度予算がなくなれば終了するため、申請前に残額の有無を問い合わせることが大切です。
補助金の対象となる費用
補助対象となるのは防犯カメラ本体、レコーダー、配線資材、取り付け工事費など現場設置に必要な直接費用です。遠隔監視用アプリの利用料やクラウド保存サービス料金は対象外となる場合が多く、自治体要綱で細かく区分されています。
既存カメラの撤去費や電源コンセント増設費を含めて認める自治体もあるため、見積書の内訳を詳細に記載して申請することで却下リスクを下げられます。
全国の個人向け防犯カメラ補助金
全国の市区町村で個人宅向けの防犯カメラ補助制度が広がっています。年度ごとに予算と募集期間が変動するため、設置を検討する際は自治体ホームページで補助制度の詳細を確認してください。
東京都の補助金・助成金
東京都内では令和7年度から都内区市町村が行う個人宅向け防犯機器の補助制度として「令和7年度東京都防犯機器等購入緊急補助事業」を実施しています。補助対象には防犯カメラだけでなく、カメラ付きインターホン、防犯フィルムなどです。
補助限度額は1世帯2万円、負担割合は50%です。補助を受けるためには、都内に住民登録があり、その住所に居住しているといった条件を満たす必要があります。
導入する機器が補助対象に該当するか、詳細はお住まいの自治体ページを確認してください。
愛知県の補助金・助成金
愛知県では、県警と連携した安全安心まちづくり事業の一環として防犯カメラ補助を実施する市町村が増えています。愛知県の補助金や助成金の例として、中村区防犯対策助成事業が挙げられ、録画機能付きの防犯カメラの設置をはじめとした防犯対策を実施した場合に最大3,000円の費用を助成します。
岡崎市は個人住宅のほか防犯意識向上を狙い街頭設置型も補助対象に含めており、いずれもレンズの死角を減らす配置計画書を添付する必要があります。自治体別に補助金、助成金の制度や事業が異なるだけでなく、提出書類や申請スケジュール、補助対象も異なるため、申請前に詳細を自治体ページで確認してください。
大阪府の補助金・助成金
大阪府は大阪市をはじめとする各自治体が個人向け防犯カメラ設置事業を展開しています。大阪市の補助金の例は「堺市地域貢献事業所防犯カメラ設置事業補助金」が挙げられ、個人事業主も補助対象です。補助率は50%、補助上限額は1台につき10万円までと定められています。
補助の要件はいくつかありますが、犯罪の発生を抑制するため特定の場所に継続的に設置されるカメラであって、録画機能があるカメラの設置や、道路等、不特定多数の者が利用する場所を画像面積の2分の1以上撮影するなどの条件があります。
個人向け防犯カメラ補助金を利用するメリット
個人向け補助金を活用すれば初期導入費の自己負担を抑えながら高度な防犯システムを整備できます。さらに自治体が設置台数を把握することで地域全体の犯罪抑止効果が高まり、安心して暮らせる街づくりが促進されます。
補助制度は防犯意識の高い住宅として評価されるため、資産価値の向上にも結び付く点が魅力になります。
費用負担を軽減できる
補助率が2分の1から3分の2に設定されているため、高機能カメラや高解像度レコーダーを選択しても自己負担額を抑えられます。定点カメラと可動カメラを組み合わせたシステム構築でも上限以内であれば補助対象となるため、将来の拡張性を見据えた設備投資が可能です。
電気工事士によるコンセント増設や配線隠蔽工事を含む場合は費用が膨らみがちですが、補助金で負担を圧縮できるため、DIYよりも安全性と信頼性の高い専門施工を選びやすくなります。
周辺地域の安全性を高められる
犯罪者は撮影されるリスクが高いエリアを避ける傾向があるため、防犯カメラ設置住宅が増えると犯罪発生率が低下します。補助制度を活用してカメラを道路側に向けることで通学路や公園の安全確保にも貢献でき、子どもや高齢者の安心感を高められます。
地域内の相互監視体制が強化されることで自治会活動が活発化し、災害時の共助体制にも良い影響を与えるため、防災面の効果も期待できます。
住宅やマンションなら資産価値の向上が期待できる
防犯設備が充実した住宅は売買や賃貸で評価が高まり、査定額や賃料の上昇要因になります。マンションの場合はエントランスや共用部に加え専有部の玄関前にもカメラを設置することで、居住者全体の安全意識向上につながります。
物件情報サイトでは防犯カメラ設置済みが検索項目に設定されていることもあり、購入検討者へのアピールポイントになります。補助金を使いながら付加価値を高めることで、投資対効果を最大化できる点は大きなメリットです。
個人向け防犯カメラ補助金を利用するデメリット
補助制度は自治体ごとに要件が細かく定められているため、申請手続きに手間と時間がかかります。また募集開始直後に予算上限へ達する場合があり、計画的に情報収集を行わないと機会を逃す恐れがあります。
さらに補助金は工事完了後に支給されるため、一時的に全額を立て替える必要がある点もデメリットです。
補助金・助成金の対象にならない場合がある
建物が防火地域や景観条例の規制対象に該当するとカメラの外観や設置位置に制限が課せられ、補助の対象外となる場合があります。また録画機器をクラウドサービスで代替する構成は機器購入費が少額になるため、最低補助対象額に届かず申請できないケースも想定しなければなりません。
所有者と居住者が異なる賃貸住宅の場合は所有者の同意書が必要であり、提出が遅れると申請期限に間に合わない恐れがあるため、早期に確認するとリスクを下げられます。
申請期限内に適切な方法で申請する必要がある
補助金申請は公募開始から提出締切まで約1ヶ月の短期間で設定されることが多く、見積取得や図面作成に時間がかかると間に合いません。オンライン申請を導入する自治体も増えていますが、電子署名や添付書類の容量制限があり、複数のファイル形式を準備する必要があります。
提出後に書類不備が指摘されると再提出を求められ、審査期間が延びることで設置工事の日程が後ろ倒しになるため、チェックリストを使い正確に準備することが重要です。
補助金の給付は設置工事完了後になる
補助金は交付決定通知後に工事を実施し、完了報告書と領収書を提出して初めて振り込まれます。そのため補助上限額を超える費用だけでなく全額を一時的に負担する必要があり、資金繰り計画を立てておかないと予算オーバーになる恐れがあります。
工事完了前に住民税や固定資産税の滞納が明らかになると給付が保留される自治体もあるため、財務面の確認を済ませておくとトラブルを避けられます。
個人向け防犯カメラ補助金の申請方法・流れ
補助金申請は募集要項の確認から振込完了まで5段階で構成されます。各段階には提出期限と必須書類が明示され、遅延や記載漏れがあると不支給につながります。
特に個人申請では印鑑証明や住民票の原本が求められるケースが多く、自治体窓口が休日対応しない場合も想定されます。余裕を持って準備し、各工程で証憑のコピーを保管することでトラブルを回避しましょう。
1.国や自治体の補助金のページを確認する
自治体公式サイトと国の補助事業ポータルには最新の募集要項が掲載されます。
制度の目的、補助率、上限額、提出書類、問い合わせ先を確認し、対象者要件を満たすかどうかを判断しましょう。
2.申請書類とガイドラインをダウンロードする
募集ページには申請様式と作成手引が用意されています。ダウンロード後はワードやエクセル形式で必要事項を入力し、記入例と相違がないかチェックしてください。
3.申請期限までに書類を提出する
申請は郵送やオンラインで受け付ける方式があり、各補助金、支援制度の申請方法に従ってください。送信後は受付番号や追跡番号を保管し、控えをファイルにまとめると、進捗の管理や手続きをスムーズに進められます。
4.審査通過の通知を受け取って補助額を確認する
審査結果は郵送またはメールで交付決定通知として届きます。通知書に補助限度額と対象経費の内訳が記載されるため、見積額との相違がないか確認してください。
5.主催団体への催告を行い補助金が還付される
工事完了後に実績報告書と領収書を提出し、内容が承認されると振込申請書が受理されます。記載口座への振込は承認日から1ヶ月程度を要するため、工事費を全額立て替える資金計画を一度立てておきましょう。
補助金が受けられない場合の対策
補助制度が対象外となる場合は自治体融資あっせん制度や防犯設備の割賦払いを検討しましょう。多くの金融機関はセキュリティ設備を住宅改修目的のローン対象に含めており、金利優遇や保証料軽減を受けられる場合があります。
また警備会社と長期契約を結ぶと機器費用の分割払いが可能となり、月額費の範囲で最新機器を導入できる場合があります。自治体の安全安心キャンペーンでは防犯カメラやセンサーライトを割引販売する催事も開催されるため、補助金に限定せず複数の支援手段を比較検討しましょう。
個人向け防犯カメラの補助金に関するよくある質問
補助制度には審査基準、提出物、交付時期に関する疑問が多数寄せられます。下記では相談件数が多い質問に回答します。
Q1:防犯カメラ補助金は申請すれば必ず給付されますか?
補助金は予算額と審査結果に基づいて交付されるため、申請のみで給付が確定するわけではありません。募集期間中でも予算上限に達すると受付終了となり、審査基準を満たしても不交付となる場合があります。
Q2:既に設置した防犯カメラで補助金は受け取れますか?
多くの制度は交付決定通知後の契約と工事が条件です。既に設置済みの機器は対象外となるため、計画段階で交付決定を受けてから工事日程を確定します。
Q3:賃貸物件に住んでいても個人で補助金を活用できますか?
賃貸物件では所有者の同意書が必須であり、管理会社も申請手続きに関与する場合があります。同意取得に時間がかかるため、物件オーナーと早期に協議し、共同申請の形を取るとスムーズです。
Q4:家庭用以外の用途で防犯カメラを設置する場合も補助対象になりますか?
制度の目的が地域防犯に寄与することであるため、ガレージや私道など公共部を撮影する用途であれば対象になる場合があります。事業用設備とみなされる範囲では中小企業向け補助制度を案内される場合があることを知っておきましょう。
Q5:補助金の申請手続きは自分で行う必要がありますか?
電気工事店や防犯設備業者が申請代行サービスを提供しており、見積作成から完了報告まで一括で依頼可能です。代行費は3万円前後が相場ですが、補助金対象経費には含まれないため、自己負担になる点に注意してください。
個人で防犯カメラを設置する場合は補助金利用を検討しよう
防犯カメラは侵入被害を未然に防ぎ、資産価値向上にもつながる投資です。自治体補助金を活用すれば導入コストを抑えつつ高機能システムを整備でき、地域防犯力の底上げにも貢献します。
募集要項の確認、書類作成、工事日程の調整を計画的に進め、補助制度を最大限に活用して安全で快適な生活環境を実現しましょう。
防犯カメラの設置を検討している際は、ぜひTIトレーディングにご相談ください。