墜落制止用器具の点検と交換について
墜落制止用器具の点検ポイントと点検頻度、交換の目安となる状態などについて説明します。
墜落事故・災害防止のためには、ハーネスをはじめとする墜落防止用品を常に安全な状態で使用することが最も重要です。
※ここでは一般的な情報をまとめています。詳細は製品の取扱説明書をご参照ください。
墜落制止用器具の点検・交換の重要性と点検頻度
厚生労働省「第13次労働災害防止計画」をもとに策定した「第8次建設業労働災害防止5カ年計画」及び「建設業労働災害防止規程」において、労働災害防止活動の一環として、重篤度の高い労働災害を減少させるための重点対策の項目に、「安全衛生保護具の着用と正しい使用」を共通対策として実施を推進しています
ハーネス型墜落制止用器具を正しく使用するためには、日頃からの器具の管理が重要です。管理方法は、主に「1.使用前の点検」「2.定期点検」「3.有効使用期限ごとの交換」の3つが挙げられます。
1.使用前の点検
ハーネスの使用時には、毎回「使用前の点検」を実施します。
一般的な点検項目は下記の通りです。
以下の項目の中で1つでも該当する項目がある場合、使用を中止し器具を破棄、もしくは購入元に点検や修理を依頼してください。
※詳細は製品の取扱説明書をご参照ください。
[ハーネス使用前点検ポイント]
2.定期点検
製品各メーカーで定められた期間毎に「定期点検」を行います。
使用者自身、安全管理者、専門知識を有する人等が点検を行います。定期点検の内容は、使用前点検項目と同様です。
3.有効使用期限ごとの交換
ハーネスおよび関連器具の有効使用期限について、特に法令による規定はありませんが、製品メーカーの業界団体による自主的な基準が下記の通り設けられています。
下記の有効使用期限を確認し、ハーネスや関連器具の交換を実施します。
ハーネス・安全ブロックなど:使用開始から3年
ロープ・ランヤード・ストラップ:使用開始から2年
※安全ブロック・ロープは、推奨
また、有効使用期限内であっても、下記のいずれかに当てはまる場合は、即座に使用を中止してください。
- □ハーネスで墜落を防止した後、あるいは墜落の衝撃と同程度の衝撃が加わった場合
- □始業前の点検あるいは定期点検時に不備があった場合
- □ワイヤーロープの引き出し/入れがスムーズかどうか
- □繊維ベルトは使用開始後2年経過すると紫外線により劣化していることがあるので、2年を目処に交換してください。
労働安全衛生規則について
2019年施行された厚生労働省の規制「墜落制止用器具(旧:安全帯)」関連の要件により、6.75mを超える箇所(2m以上の作業床のない箇所または作業床の端、開口部で囲い・手すり等の設置が困難な箇所)の作業での墜落制止用器具は、フルハーネスの使用が原則となりました。
但し、2022年1月1日までの経過措置期間が設けられており、該当する環境での作業では、新たな規定に応じた「フルーネス型墜落制止用器具」への移行計画や購入準備をする必要があります。
<フルハーネス型墜落制止用器具について>
弊社で取り扱いをしているフルハーネス型墜落制止用器具は、墜落防止に特化した世界最大メーカーの製品です。 製品には以下の特徴があります。
- 米国の規格に適合
- 高い品質(快適さ、動きやすさ、使いやすさ)