データセンターにおける墜落防止・高所作業安全対策

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業界における墜落防止・高所作業安全対策の概要

 

データセンターは、24時間365日、止められないインフラとして電力・冷却・通信といった設備の安定稼働が求められます。その多くが屋上や建物周囲に設置された設備(空調、UPS、発電機、通信ケーブル等)によって支えられており、定期的な点検・整備は欠かせません。

そのため、屋上への安全なアクセス手段の確保と、作業時の墜落防止対策の徹底は、データセンター運用の根幹に関わる重要な安全管理領域です。特に、屋上防水層を傷つけず設置できる非貫通型の安全設備が求められるなど、他の業界とは異なる繊細な要件を持ちます。

 

課題整理

1. 屋上作業が必要不可欠だが「潜在的リスク」として見過ごされやすい

冷却設備・排気装置・配線ルートなど、屋上の機器点検は定期的に必要。しかし、屋根上での作業は目に触れにくく、安全対策が後回しにされがちです。

2. 防水層への影響を避ける必要がある

設備を固定する際に屋根へ穴を開けると、漏水リスクが高まり、センター全体のシステムに致命的な被害を及ぼす恐れがあります。従って、安全対策も非貫通型であることが前提となります。

3. 作業エリアが限定的・分散的で柔軟な対応が必要

広い屋上の中でも、作業対象は局所的であり、常設設備と移動式装備の適切な組み合わせが必要とされます。設備更新や増設に応じて、安全対策も柔軟に再設計する必要があります。

業界における墜落・高所作業の主なリスクポイント

⚠️屋上縁(leading edge)での作業や点検

⚠️冷却設備・空調ユニット・排気塔まわりでの点検・清掃作業

⚠️屋上上の高低差(段差、傾斜、段落ち)箇所での移動

⚠️屋上開口部(スカイライト・ハッチ等)周辺での作業

⚠️電源・通信ケーブル点検時に発生する不安定な足場での作業

解決策

■ 非貫通型の安全設備導入(防水層を守る)

  • ウェイト式ガードレールや自立型パラペットガード
     → 工事不要で設置でき、防水層を傷つけない

■ 屋上開口部・段差への安全処置

  • スカイライト保護カバーの設置
     → 踏み抜き事故を防止、視認性向上
  • 昇降用ラダーゲート・安全ステップ
     → 点検口や階段入口の転落リスクを回避

■ 作業員の安全教育と管理の徹底

  • 屋上作業時には必ずフルハーネス+SRL(ランヤード)を使用
  • 点検時には2名以上での作業を原則とするルールの徹底
  • 作業前チェックリストや作業エリアへの安全掲示の実施

<製品例>

アンカー

・常設用墜落防止垂直親綱 VLL

・常設用墜落防止水平親綱 HLL

・フルハーネス、胴ベルト

・安全ブロック

・ランヤード 

・KeeGate 自動閉鎖安全ゲート

・KeeKlamp

・KeeStep

・KeeWalk

・KeePlatform

まとめと導入メリット

データセンターでは、設備の安定稼働こそが最優先課題ですが、その裏で行われる屋上・高所作業の安全性確保は欠かせない基盤です。
万が一の墜落事故や屋根の損傷が発生すれば、システム全体の停止や信頼の失墜に直結する恐れがあります。

安全対策を導入することで、以下のようなメリットがあります:

✅ 作業員の安全を守り、事故ゼロ運用を実現

✅ 防水層を傷つけない設計により、施設寿命と信頼性を維持

✅ 点検作業の効率化と、メンテナンススケジュールの安定化

✅ 顧客・パートナーからの安全意識の高い運用姿勢への評価向上

✅ 労働基準監督署や保険会社への法令準拠・説明責任の明確化

「人とシステムを守る」ための投資として、データセンターに最適化された墜落防止対策の整備を、今こそ検討すべき時です。

以下に、**データセンター向け 屋上・高所作業用の安全チェックリスト(点検・作業前用)**を作成しました。
屋上設備の点検・清掃・補修などを実施する前に、安全確認を確実に行うための内容になっています。

✅ データセンター屋上・高所作業用 安全チェックリスト

作業エリアの安全確認





安全設備の点検・設置





作業員の安全管理






その他・全体確認




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