墜落・転落事故が企業に及ぼす影響について

墜落・転落事故の発生が、企業にとってどのような影響を及ぼすかについて考えてみましょう。

2017年の労働災害発生状況を公表

~死亡災害、死傷災害ともに前年を上回る~

2017年厚生労働省の「業種、事故の型別死亡災害発生状況」によると、建設業の死亡事故における墜落・転落を原因とする死亡者数は建設業全体の死亡者数の47%を占め、死亡事故の中で最も大きな割合を占めています。

労働災害による死亡者数は978人で、2016年の928人に比べ50人(5.4%)の増加。死亡者数が多い業種は、建設業が323人、次いで製造業が160人。

死亡災害発生状況は、高所からの「墜落・転落」(258人)と最も多く、死傷災害においても、20,374人と多くの割合を占めています。

墜落・転落事故が影響を与えるもの

墜落・転落事故が企業に与える影響は多岐にわたります。墜落した被災者とその被災者が所属する企業だけにとどまらず、その企業の顧客や保険会社等にも影響が及びます。

自社(企業):自社の活動に大きな影響を与える。企業にとっては金銭的に、また企業に所属する社員にとっては精神的な影響がある。さらに、業績の変化による株主への影響もある。

被災者:被災した作業員自身だけでなく、その家族や友人らに影響を与える。

顧客:サービスを提供する顧客には、作業停止による直接的な影響のほか、精神的な影響も与える。

他の企業:複数の企業が作業する現場の場合、作業停止等による影響を与える。

保険会社:被災者や業務停止による損害賠償などの影響を与える。

墜落・転落事故が企業に与える影響

また、被災者が所属する企業へ与える影響についてみていきます。

建設現場における労働災害損失コストの計測」では、企業に与える影響は大きく2つ(直接的損失と間接的損失)に分けて、労働災害損失コストに関わる項目をまとめています。

※直接的損失とは、直接的に賠償支払いが発生する項目です。間接的損失とは、間接的に賠償支払いが発生する項目です。

1.直接的損失

1)支払い保険料の増額

2)会社規定に基づく補償費等:療養補償費、休業補償費、付加休業補償費、障害補償費、遺族補償費、葬祭料、弔慰金、移送費、入院中雑費、傷病見舞金、退職金割増額、諸貸金の弁済減免額、給付制限による会社負担、対物補償費、保険金一式、その他

3)訴訟関係費用:民事損害賠償額(逸失利益、慰謝料等)、示談金、付随費用、その他

4)建物等の物的損失:建物、付属設備、施工途中の建造物、仮設構造物、機械、器具、工具、付属品、資材類、その他

5)現場の生産性に関する損失:遅延回避のための損失、遅延による損失(人件費、現場管理費、遅延違約金等)、その他

6)その他の損失:通信交通費、官庁関係費、地域対策費、その他

2.間接的損失

1)被災者の稼得能力喪失等に伴う所属会社の損失:当日の損失額、休業中の損失額、労働時間中の損失額、死亡または障害が残った場合の損失額、その他

2)工事関係者(被災者以外)の不働賃金:救援・連絡・介添のための不働賃金、作業手待ちによる不働賃金、原因調査・記録のための不働賃金、現場の整理・復旧のための不働賃金、見舞・付添のための不働賃金、葬儀・会葬のための不働賃金、安全教育等のための不働賃金、役所立会のための不働賃金、その他

3)営業活動に関する損失:指名停止による損失額、その他

出典:建設現場における労働災害損失コストの計測

まとめ

ここまで見てきたように、墜落・転落事故による影響は被災者の健康への影響だけにとどまらず、企業や社会に広範囲かつ多大な損失を与えます。

特に中小企業における墜落・転落事故の影響は「財政的に大打撃」(出典:Inventory of socioeconomic costs of work accidents)、

「小企業は大企業に対し相対的に労働災害コストは大きい」(出典:建設現場における労働災害損失コストの計測)とされています。

これら考慮すると、墜落制止用器具やランヤード、安全ブロック等の安全具、墜落防止システムにかける安全対策の費用は、万が一の事故と比べると相対的に少ないコストであると言えるのではないでしょうか?

<墜落防止器具について>

弊社で取り扱う安全器具は、すべて3M社製です。
3M社は、墜落防止器具において世界最大のメーカーとして有名です。
その技術力は、日本製に比べ高い欧米の安全基準をクリア。これまで、OSHA・ANSI・CSA・CE・AS/NZSの基準を超える安全性能と快適性の高い製品開発に挑み、数多くの「業界初」を生み出し、180以上の特許を取得しています。
ハーネス、ランヤード、自立型ライフライン、およびエンジニアリングシステムなどの墜落労働災害防止用品の開発・製造で、業界をリードするソリューション技術は、DBI-SALA®および PROTECTA®などのブランドで世界的に認知されています。

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