安全ブロック(セーフティブロック)の正しい使い方と注意点
安全ブロックの一般的な使い方と注意点について説明します。
※ここでは一般的な安全ブロックについて説明しています。安全ブロックによって使用方法や注意点が異なる場合があります。詳細は製品の取扱説明書をご参照ください。
使用前に行うこと
1)作業を始める前に、リスクアセスメント(注)を実施します。
注)リスクアセスメントとは、リスク特定、リスク分析、リスク評価の3つのステップで職場にひそむ危険性や有害性を発見し、これらを除去、低減するためのプロセスです。労働安全衛生法第28条の2により、努力義務化されています。
参考URL:中央労働災害防止協会
2)安全ブロックの状態を点検します。使用前点検は、必ず各製品の取扱説明書をご確認のうえ行ってください。
安全ブロックのフックに引き寄せロープを取り付ける。
ロープは安全ブロックのフックを引き寄せる時に使用。フックに手が届かない場所に安全ブロックを設置した時に必要になります。
設置方法
1.アンカー(安全ブロックを接続する対象物)を選びます。
アンカーには様々な種類があり(下画像は一例)用途や環境によって使い分けます。また、アンカーの形状によって安全ブロック側のコネクターも異なります。
2.作業員の頭よりも高い位置に安全ブロックを設置します。
鋭いエッジがある環境でワイヤーロープが接触する可能性がある場合は、パッド等をエッジにあてます。
3.安全ブロックのフックと作業員の墜落制止用器具を接続します。
安全ブロックの正しい使い方と注意点
1.通常時(移動中・作業中)
作業員が安全ブロックに接続されているときは、推奨作業エリア内で通常のスピードで自由に動き回ることが出来ます。ロープは、作業員の動きに合わせてスムーズにハウジングに出入りします。
□作業は、安全ブロック(セーフティブロック)の直下で行うこと。
安全ブロックから横にずれた位置での作業中に墜落が発生すると、身体が振り子のように大きく振られながらの墜落し、構造物や構築物に激突し重大な事故につながり危険です。
□早く移動しないこと。
速く動くと墜落防止用のロックがかかり、その衝撃でバランスを崩すおそれがあります。
□ロープに汚れなどが付着したときはすぐにふき取ること。
汚れをそのままにしておくと、安全ブロックが正常に機能しない場合があります。
□ロープを腕や足の下を通さないこと
移動中や作業中にバランスを崩すおそれがあり、また、墜落時に大きな事故につながります。
□引き出したロープはゆっくりと戻すこと。
勢いよく戻すとロープが適切に巻き取られない可能性があります。
2.墜落発生時
万が一墜落が発生した場合は、作業員を救助後、安全ブロックを取り外して使用を中止します。
墜落後は、安全ブロック内部にダメージが加わり部品が損傷している可能性があるので、購入元に点検や修理を依頼してください。
3.異常時
安全ブロックのロープがスムーズに出入りしない、または、ロープがたるむ等動作に異常が見られる時は、器具に何らかの不具合が発生している可能性があります。
このような場合は、直ちに安全ブロックの使用を中止し、購入元に点検や修理を依頼してください。
□機械が稼働する環境
※電気的な影響を受ける可能性のある環境(電線に触れる可能性がある等)
□火気や薬品等の影響を受ける可能性のある環境
□ロープが障害物に引っかかる可能性のある環境
□鋭利なエッジのある環境
4.使用後
使用後は、安全ブロックのロープをゆっくりハウジングに戻し、涼しく乾燥していて、直射日光の当たらない場所に保管します。
定期的なメンテナンスとして、ハウジングとロープを水と中性洗剤で磨き、磨いた箇所を水で流し自然に乾燥させます。
注)ドライヤー等の熱で乾かさないこと
<安全ブロック ウィンチ付について>
弊社で取り扱いをしている安全ブロックは、安全性にこだわる2つの機能が付いています。
- 宙づり状態になった作業員を1人でも楽に引き上げるためのウィンチ
- 墜落時の身体への衝撃を吸収するためのショックアブソーバー
安全ブロックが主に使用されるのは、マンホールやタンクなどの狭い孔口等の昇降時です。