安全ブロック(セーフティブロック)の点検と交換について

安全ブロック(セーフティブロック)の点検と交換について説明します。

万が一の墜落時に、器具が正しく機能するためには、日頃からの管理が不可欠です。

※ここではあくまで一般的なポイントをまとめています。詳細は製品の取扱説明書をご参照ください。

点検・交換の重要性
~墜落・転落事故のうち28%の事故が防護装置の欠陥が原因~

「労働災害原因要素の分析(安全衛生情報センター)」によると、建設業で発生した墜落・転落事故のうち、じつに28%、約3割の事故が防護装置の欠陥を原因とするもの。

この事実を踏まえたうえで、点検・交換のポイントについてみていきましょう。

使用前の点検

安全ブロック使用時には、毎回「使用前の点検」を実施します。

一般的な点検項目は以下の通りです。

以下の項目の中で1つでも該当する項目がある場合、使用を中止し器具を破棄、もしくは購入元に点検や修理を依頼してください。

※詳細は製品の取扱説明書をご参照ください。

1.外観の点検ポイント

[ハウジング]

  • へこみ、歪み、ひびその他のダメージを受けている部分がある
  • ねじに緩みや曲がり、ダメージがある
  • 腐食がある
[フック]

  • フックにダメージ(変形、ひび等)やサビや腐食がある
  • ゲートの開閉が正常に行えない
  • 回転部(スイベル)がスムーズに回転ある
[ワイヤーロープ]

  • キンク、ワイヤーの断線、鳥の巣状、溶接スパッタ、腐食、薬品との接触跡、摩耗、サビ、形くずれがある

※例えば、以下のような図の状態となっているときは、使用を中止してください。

2.機能の点検ポイント

  • ワイヤーロープを素早く引き出してロックするかどうか
  • ロックされた状態でワイヤーロープが動くかどうか
  • ワイヤーロープの引き出し/入れがスムーズかどうか
  • ワイヤーロープが全てハウジング内におさまるかどうか

定期点検

定期点検期間は、年1回あるいは隔年等メーカーまたはメーカーに認められた機関での点検が各規格で義務付けられています。

例えば、ANSI Z359.14(注1)は年1回の点検を義務付けています。

カナダのCSA規格(注2)では、製造日から2年以内に1度の点検を求めています(2回目以降は年1回の点検)。

注1)ANSIは米国規格協会(American National Standards Institute)で、日本の工業規格(JIS)にあたるとされている。
注2)CSAはカナダ規格協会(Canadian Standards Association)

墜落阻止後の点検

安全ブロックで墜落を防止したら、安全ブロックを取り外し点検や修理のために販売元に連絡します。墜落後は、安全ブロック内部にダメージが加わり、部品が損傷している可能性があるので、直ちに使用は中止します。

メンテナンス

定期的にハウジングとロープを水と中性洗剤で磨きます。磨いた後は水で流し、自然乾燥させます。注)ドライヤー等の熱で乾かさないこと

安全ブロックの交換時期

ロープは紫外線により劣化が進むため、繊維ロープは使用開始から約2年、繊維ロープ以外は使用開始から約3年を目安に交換します。

ロープ以外の部品については、3年経過での交換が推奨されています。

まとめ

建設業で発生した墜落・転落事故のうち、じつに28%と3割の事故の原因が防護装置の欠陥(参考資料:「労働災害原因要素の分析」安全衛生情報センター)となっています。

日々の点検を確実に行うこと、メーカーが推奨する使用年数に準じて速やかに交換することが、より有効な安全対策につながります。

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