下水道マンホール内作業における安全対策

マンホール内での作業における危険性や安全対策について説明します。

マンホール内(管渠内)作業における危険性

下水道のマンホール内(管渠内)での作業では、急な水位の上昇や酸素欠乏・硫化水素を原因とする災害の危険性があります。

急な水位の上昇により作業員が流される、あるいは酸素欠乏や硫化水素中毒による災害を防ぐために必要な安全対策について見ていきましょう。

急激な水位上昇による災害を防ぐための安全対策

水位上昇による災害を防ぐためには、急激な増水が発生した後の対応だけでなく、増水の発生を予測するための対策が必要です。
これらの災害のための安全対策を4つの項目にまとめました。

    1. 現場の特徴を作業計画前に把握する

      作業に入る前に、ゲリラ豪雨等による急激な増水による危険性を把握・認識するために、作業する現場の様々な特徴について情報を収集し分析します。

    2. 作業等の中止基準や再開基準を決める

      水位上昇の前に作業を中止し人命を守るためには、作業の中止基準と再開基準を決めることが重要なポイントです。
      現場の環境に応じた中止基準・再開基準をあらかじめ設定します。
      設定項目は、<①気象情報(注意報・警報)><②気象状況(降雨や雷の状況)><③下水道管渠内の水位>を考慮して決定します。

    3. 素早く避難するための準備

      作業開始後、中止基準に到達したときや急激な水位の上昇がみられる場合に、マンホール内(管渠内)の作業員が安全かつ迅速に避難できるよう、以下の項目について具体的な対応策を定めておきます。

      ① 退避手順の設定
      ② 安全器具等の設置
      ③ 情報収集と伝達方法
      ④ 資機材の取扱い

      この中で、「③安全器具等の設置」では次の安全器具を使用することが推奨されています。

      • 墜落制止用器具:墜落時に被災者を迅速に救助できるよう、ウィンチと安全ブロックを組み合わせて使用する
      • 親綱:流出防止として作業区間に設置する
      • 流出防止柵(ネット):下流人孔より流されないように設置する
      • 救助用ロープ:退避の際、地上から下水道マンホール内の作業員の救助を想定し、引き上げが容易にできるウィンチと安全ブロックを組み合わせて使用する
      • 救命胴衣:急な出水で下水道マンホール内の作業員が溺れないための対策
        ※ウィンチと安全ブロックの組み合わせにより、ロープの巻き取りが非常に楽に行え、救助する人はマンホール内に入ることなく迅速な救助を可能にします。

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  1. 日々の安全管理の徹底

    作業等を開始する前に、避難する場合の対応について作業者および関係者全員に周知徹底します。

※クリックすると拡大します
参照元:

局地的な大雨に対する下水道管渠内工事等安全対策の手引き(案)(PDFファイル)

下水道管渠内工事等の安全対策(PDFファイル)

酸素欠乏・硫化水素に対する安全対策

下水道マンホール内で酸素欠乏や硫化水素を原因とする災害を防止するために、酸素欠乏症等防止規則において、下水道マンホール内での作業方法、作業環境の整備に必要なことが定められています。

作業前には、下記の災害防止のための安全対策を手順に沿って行います。

  • 1)酸素欠乏危険場所の事前確認をする
  • 2)立ち入り禁止の表示をたてる
  • 3)作業主任者を選任する
  • 4)特別教育を実施する
  • 5)測定する
  • 6)換気する
  • 7)保護具を使用する

酸素欠乏・硫化水素に関する詳しい安全対策については、こちらの記事をご覧ください。

マンホールの死亡事故(墜落・転落・落下・酸欠)を防止する方法と対策

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