親綱ワイヤーロープとは?規格・緊張器・常設用水平親綱システムについて解説

ワイヤーロープの親綱は、合成繊維ロープと比べて強度が優れているのが特徴です。労働災害の死亡事故で最も多い転落・墜落災害を防ぐには、墜落制止用器具だけではなく、墜落制止用器具をかける親綱の設置や選び方も重要になってきます。

この記事では、ワイヤーロープの親綱の規格や弊社取り扱いの常設親綱システムHLLなどについて解説します。

ワイヤーロープの親綱とは?

親綱は合成繊維ロープとワイヤーロープの2種類があります。ワイヤーロープの親綱には、合成繊維ロープの芯にワイヤーが使われた親綱もあれば、ワイヤーをより合わせて作られた親綱があります。ワイヤーロープの親綱を張る際は、所定の張力で張る「緊張器」を使います。ワイヤーロープの親綱には、それぞれ以下のような特徴があります。

ワイヤーロープの親綱は耐摩耗性・耐疲労性に優れていますが、「キンク」を起こしやすいという特徴があります。「キンク」とは使用後に巻き取りや保管をする際に発生しやすく、一度「キンク」が起こるとその箇所がダメージとなり、使用できなくなります。ワイヤーロープの親綱は、太さによって耐荷重も異なるため、ワイヤーロープを親綱として使用するときは規格についても理解しておかなければなりません。

親綱ワイヤーロープの規格

建設業労働災害防止協会(厚生労働省委託事業)の『墜落防止のための安全設備設置の作業標準マニュアル』では、日本工業規格に適合した強度を満たし、19KNの引張荷重をかけた場合において破断しないものを使用する、と記載されております。認定試験で用いられているのは、日本工業規格(G3525)に定められた直径9mm(JIS4号)、6×24のワイヤーロープです。この適合基準をクリアしたうえで、かつ荷重の最大値が23.0kN以上あれば親綱として安全に使用できるワイヤーロープとなります。

そのため、定められている強度を満たしているワイヤーロープを選んでください。

関連記事:親綱の強度の基礎知識と使用における注意点

親綱システムには国際規格がある

親綱と親綱を設置する支柱などを総称して親綱システムと呼ばれ、常設タイプと仮設タイプがあります。また、日本には親綱システムの規格はないですが、世界には、ANSI規格(米国)やEN規格(ヨーロッパ)などがあります。日本の墜落制止用器具は、ISO規格との整合性を図ることを目的に規定が改正され、構造規格が変更されました。

欧米と日本の安全基準の違いについては、下記でくわしく解説しています。

関連記事:安全基準について

ワイヤーロープを使用した「常設用水平親綱システムHLL」

弊社が取り扱う、ワイヤーロープが使用される「常設用水平親綱システムHLL」について、詳しく解説します。

製品概要

「常設用水平親綱システムHLL」は、壁面や足元、あるいは頭上、屋根にワイヤーケーブルを設置し、ユーザーのランヤードをケーブル上を走るスライダー(安全器)に接続して、ユーザーの墜落を防ぐシステムです。弊社が取り扱う「常設用水平親綱システムHLL」は、欧米の規格に準拠した安全性の高い製品になります。

基本的に「常設用水平親綱システムHLL」は、以下の製品で構成されております。

  • ショックアブソーバー
  • アンカー
  • 中間ブラケット
  • ケーブル
  • スライダー

特徴

『常設用水平親綱システム HLL』の特徴は、以下のとおりです。

  • 長寿命のステンレス製のワイヤーロープを使用
  • 中間ブラケット通過時にフックの架け替えが不要
  • 欧米の墜落防止規格に準拠している

ステンレス製のワイヤーロープは耐摩耗性に優れ、錆に強いという特徴があります。過酷な環境下でも長く使うことができます。また、本製品はランヤードの架け替えなしでスムーズに移動が可能です。高所作業の安全性を保ちつつ、効率性を高めることができます。その他、欧米の安全規格にも適合しているため、安全な作業環境を構築することが可能です。(日本には同様の規格がありません)

用途

弊社が取り扱う「常設用水平親綱システムHLL」は、下記のように、多種多様な現場に合わせて、作業者の頭上や足元など用途にあわせたシステムを構築できます。

  • 天井走行クレーンとその通路
  • 工場
  • 貯水タンク
  • 船舶
  • 橋梁
  • 風車のナセル
  • 空港
  • スタジアム
  • テーマパーク
  • 劇場

選ばれる理由

本製品は安全性と設置する構造物への負荷を軽減するデザインで、新設の建物だけでなく、既存の建物への設置も可能です。また、足場の設置が困難な場所でも、適切な墜落防止対策をとることが可能です。その他、万が一のときもショックアブソーバーを備えているため、墜落・転落時の衝撃も緩和します。墜落制止用器具とあわせて、少しでも安全性を考慮したい場合におすすめの製品です。

弊社取り扱いの「常設用 墜落防止水平親綱HLL」の詳細はこちら

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2019年2月に墜落制止器具の法改正がありました。2022年1月2日からは新規格の基準を満たしていない墜落制止用器具は使用できません。労働災害でもっとも多いとされる墜落・転落災害を防ぐために、関係する法令の改正や規格の見直しがおこなわれています。

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